家を売る際の4大リスク&各リスクの回避策を徹底解説!

住み慣れた家を売るとなると、「どんなリスクがあるんだろう?」と不安を覚える人も多いのではないでしょうか?

不動産の売却というのは、人生で何度も経験することではありません。

それだけに、どんな『リスク』『注意点』があるのか、イマイチよく分からないですよね。

家を売る際に注意すべきリスクは、主に次の4つの時点で発生します。

  • 不動産会社を選ぶ時
  • 家を売り出す時
  • 売買契約を結ぶ時
  • 家を引き渡す時

そこで今回は、それぞれの時点で注意すべきリスクについて、時系列で解説していきます。

【家売る時のリスクその1】不動産会社を選ぶ時の注意点

会社選びの注意点

家を売る際に最初に生じるリスクは、不動産会社選びを間違えるということです。

不動産売却が成功するかどうかの成否は不動産会社選びにかかっているといっても過言ではありません。

そのため、選ぶ会社を間違えると、かなり大きなリスクを負うことになります。

不動産会社を選ぶ時の注意点とリスク回避のポイントを見てきましょう。

ポイント1:複数の不動産会社に査定依頼をする

不動産売却で失敗するリスクを回避するための最初の注意点は、1社のみに査定依頼をして売却を依頼しないことです。

1社だけにしか査定依頼をしなかった場合、その査定額が相場に比べて「高いのか?低いのか?」、「査定額が妥当なのか?」分かりません。

査定を複数の不動産会社に依頼した場合は、それぞれの査定額を比較検討することができるので、売却したい不動産の相場を把握することができ、「この会社の査定額は相場より高いけど、なぜだろう?」と気づくことができます。

さらに、複数の会社の営業マンから話を聞くことができるので、不動産がある地域の情報を集めやすく、営業マン同士の対応なども比較することができるので、より自分と相性がいい不動産会社を見つけられる可能性が高くなります。

また、査定を受けた場合、必ず『査定書』をもらうようにしましょう。

口頭で「〇〇円くらいで売れますよ~」と言われただけで、売却を決意するようなことはくれぐれもしないようにしましょう。

万が一、査定書を提出することを渋るようであれば、そういう不動産会社は依頼先の対象から外していいでしょう。

ただ、複数の不動産会社に査定を依頼するのは大変です。

そこでおすすめなのが、不動産売却一括査定サイトです。

一括査定サイトを使うと、約60秒ほどで複数の不動産会社に無料で査定依頼をすることができます。

口コミの中には、「営業の電話が一度にかかってくるので、対応が大変」という意見もありますが、多くの一括査定サイトで自由記入欄を設けているので、そこに「メール対応のみ可能」とか「夕方〇〇時以降のみ対応可」などと記載していれば、電話が集中したり、迷惑な時間に電話がかかってくることは少ないでしょう。

ポイント2:地域密着型と大手どちらにする?

不動産会社を選ぶ際に、よく聞く悩みが、「地元密着型の不動産会社にするか、全国規模で事業を展開している大手に依頼するか」というものです。

地元密着型と大手では、メリット・デメリットが違い、依頼した際に抱えるリスクも違います。

それぞれの違いについては「家を売る際の不動産会社選びで必ずチェックすべき3つのポイント」で詳しく解説しているのでご参照ください。

家を売る際の不動産会社選びで必ずチェックすべき3つのポイント

2019年4月18日

ここでは、「物件の価格帯」という観点で、不動産会社選びのポイントを紹介します。

■ 1,000万円~3,000万円程度の物件

この価格帯の物件は、一般の個人が購入できる住宅地の戸建てや、人気のあるマンションなどが該当します。

これらの物件は、市場にそのまま出せば、すぐに売れるような物件が多いので、買取業者ではなく仲介で市場に直接出して、買主を探したほうが高く売れる可能性が高いです。

また、物件そのものだけでなく、物件周辺の環境や立地なども価格に大きく影響するので、物件がある地域の情報に精通している地域密着型の不動産会社に仲介を依頼したほうが、『売れない』というリスクを下げることができるでしょう。

■ 3,000万円以上の物件

家をを1戸建てるには広すぎる土地や、都心の物件でかなり高額な場合は、個人で買える人は少なくなるので、市場で売出しても買い手が見つからないリスクが高いです。

ある程度短期的に売りたい場合は、不動産会社に直接買い取ってもらったほうがいいかもしれません。

不動産会社は、そういった物件を購入すると、分割して複数の人に売却したり、マンションなどを建築して、賃貸に出したりして収益を上げます。

買取制度を利用する際の注意点としては、自分で直接買い取り業者に依頼しないことです。

なぜなら、安く買いたたかれるリスクが高いからです。

買取制度を利用する場合に失敗しないポイントは、最も高く買ってくれる買取業者を探してくれる仲介業者(不動産会社)に依頼することです。

仲介業者を利用しない場合は、買取査定を複数の業者に依頼できる一括査定サイトなどを利用し、査定額を比較検討してから、どこに依頼するか決めるようにしましょう。

ポイント3:税金で損をしないための注意点

相続した不動産や収益物件を売却する場合、「売却益は出せても、税金で大きな損をしてしまう」というリスクがあります。

通常、不動産を売却すると多額の税金が課せられます。

しかし、条件を満たせば、控除や減税措置を受けられて、場合によっては、税金が無課税になることもあるので、しっかりと把握しておきましょう。

税金の控除や減税措置に関しては、「所得税が無課税に!?家を売る時にぜひ知っておきたい特例・控除まとめ」で詳しく解説しています。

所得税が無課税に!?家を売る時にぜひ知っておきたい特例・控除まとめ

2019年4月25日

また、不動産売却で売却益が出て、譲渡所得が発生した場合、必ず確定申告をする必要があるので注意が必要です。

なお、損失が出た場合は確定申告をする必要がありませんが、確定申告をすると給与所得などと損益通算でき、節税ができたりするので、損失が出た場合も確定申告をすることをおすすめします。

確定申告については、「家を売ったら確定申告が必要?申告の手順や必要書類などまとめて解説」もご参照ください。

家を売ったら確定申告が必要?申告の手順や必要書類などまとめて解説

2019年4月25日

【家売る時のリスクその2】家を売り出す時の注意点

家を売り出す際の注意点

不動産会社と媒介契約を結ぶと、「後は不動産会社の販売活動にお任せ」というイメージがあるかもしれませんが、売主のちょっとした努力で家が高く売れることがあります。

逆に、この些細な努力を怠ると、『買い手が見つからない』『高値で売れない』というリスクが発生することもあるので、注意が必要です。

その注意点について、詳しくお話しします。

家を売る時に売主が払うべき注意点

売主の努力次第で家の売却価格が上下すると聞くと、「家を売るために最大限の努力をしよう!」という気になりますよね。

ずばり、家を売る際に売主が注意すべき点は、『家を綺麗にする』ということです。

明るくて綺麗な家ほど高く売れるというのは、不動産業界では常識です。

内覧の時だけでなく、訪問査定をしてもらう時点で、「部屋の片付け」「余計な物の整理整頓」「家をできるだけ広く明るく見せる工夫」など、できる限りの努力をしましょう。

購入希望者は、内覧時にその家を購入するかどうかを判断します。

ごちゃごちゃと物が置いてあったり、ごみがそのまま放置されていたりすると、家に対する印象は悪くなってしまいます。

引っ越し前であれば、生活に必要ないものは実家や貸倉庫に預けるなどして、できるだけ物がない状態にし、部屋を広く見せる工夫をしましょう。

また、きれいに掃除をしておくことも大切です。

特に水回りなどは、購入希望者が気にするポイントなので、入念に掃除しましょう。

どうしても汚れがきれいに取れない場合は、ハウスクリーニングなどを利用して、専門業者にきれいにしてもらうのもいいでしょう。

ためになる豆知識
内覧者を迎える際は、事前に全ての部屋の照明をつけておくこと!

暗い部屋は、家の印象を悪くします。

陽当たりが悪い個所はもちろん、陽当たりがいい部屋でも照明をつけて、できる限り明るい状態で内覧してもらえるようにするといいですよ。

【家売る時のリスクその3】契約を締結する時の注意点

契約締結時の注意点

不動産を売却する時に最も多いトラブルが『契約内容』に関することです。

不動産売却で締結する主な契約は2つあり、1つが不動産会社と結ぶ「媒介契約」で、もう1つが買主と結ぶ「売買契約」です。

契約は、一度締結すると簡単には解除できませんし、解除できたとしても違約金が発生する場合があります。

ここでは、それぞれの契約を締結する際の注意点について解説します。

媒介契約を締結する時の注意点

不動産会社に仲介をお願いする際は、「媒介契約」を結びます。

媒介契約には以下の3種類あり、それぞれ内容が異なる部分があるので注意が必要です。

  • 一般媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 専属専任媒介契約

それぞれの契約内容の違いを一覧にしたものがこちらです。

契約形態レインズへの
登録義務
販売活動の
報告義務
買主との
直接契約
複数社への
仲介依頼
一般媒介契約なしなし何社でも可
専任媒介契約媒介契約から7日以内2週間に1回以上不可
専属専任媒介契約媒介契約から5日以内1週間に1回以上不可不可

この他にも、契約の有効期限に違いがあり、一般媒介契約が法令上の制限がないのに対して、専任媒介契約と専属専任媒介契約では、契約の有効期間は3ヶ月以内となっています。

さて、ここで気になるのが、「専任媒介契約と専属専任媒介契約を3ヶ月以内に解約した場合に違約金が生じるかどうか?」というリスクです。

基本的に、どちらの媒介契約においても、解約した場合に、解約までに要した実費と仲介手数料を請求されることもあっても、違約金が発生することはありません。

これは、不動産会社に落ち度があった場合はもちろん、売主側の事情での解約でも同じです。

ただし、売主が他社に仲介を依頼した場合、専任媒介契約や専属専任媒介契約を結んだ不動産会社は違約金を請求できます。

もし、他社に仲介を依頼したわけではないのに契約解除によって、不動産会社から違約金を請求された場合は、次のような機関・組織に相談をしましょう。

  • 宅建協会(宅地建物取引業協会)
  • 弁護士(無料相談ができる法テラス等)
  • 都道府県庁の担当部署

なお、媒介契約に関して「もっと詳しく知りたい」という方は「家を売る際の媒介契約はどれがおすすめ?各契約内容を徹底比較!」で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

家を売る際の媒介契約はどれがおすすめ?各契約内容を徹底比較!

2019年4月10日

もう一つ、不動産会社との間でリスクになりやすいのが、『仲介手数料』です。

不動産会社が売主に請求できる仲介手数料の上限は、法律で次のように定められています。

売買価格仲介手数料上限額
400万円超対象金額の3%+消費税
200万円超400万円以下対象金額の4%+消費税
200万円以下対象金額の5%+消費税
  

また、400万円以上の物件の場合は、次のような速算式もあります。

計算式
仲介手数料の上限=(売買金額✕3%+6万円)+消費税

つまり、仲介手数料に関しては、この計算式で算出されるものを上回る金額を請求されるリスクはありません。

ただ、例外もあり、売主の希望で契約内容に含まれていないような販売活動や宣伝を行った場合はその費用を請求されるリスクはあります。

例えば、遠隔地に住む購入希望者と交渉するのにかかった出張費や通常の販売活動に含まれない特別な広告宣伝費などです。

不動産会社にいろいろな要望を出しすぎると、これらの活動に伴い発生した実費を請求されるリスクがあるので、事前に費用が発生するか確認してどこまで依頼するか判断しましょう。

なお、仲介手数料に関しては「家を売る際の仲介手数料の相場や計算方法は?無料の会社は怪しい?」もご参照ください。

家を売る際の仲介手数料の相場や計算方法は?無料の会社は怪しい?

2019年4月26日

売買契約を締結する時の注意点

売買契約を締結する場合、「売主側の事情によるもの」と、「買主側の事情によるもの」の2つのリスクが考えられます。

中でも、売買契約締結時に細心の注意を払いたいのが、『契約解除のリスク』です。

売買契約は売主・買主の両者の合意の上で成立するものですから、契約締結後に解除しないというのが基本です。

ただ、締結後も契約を解除することはできます。

また、場合によっては、違約金が発生する可能性もあるので、そこのところのリスクをきちんと理解しておくことは大切です。

不動産売却において、契約解除になることが多いケースには主に次のようなものがあります。

  • 手付放棄による解除
  • ローン利用特約等の条件に基づく解除
  • 瑕疵担保責任による解除

手付放棄による解除

買主の中には、売買契約を締結した後も、より良い物件がないか探す人がいます。

そして、より希望に合った物件を見つけて、契約の解除を求めてくることもあるのです。

このような行為を、民法では「手付解除」と呼びます。

売買契約締結時に買主が売主に手付金を支払いますが、これは、もし手付解除をした場合の「謝礼金」のような役割も担っています。

売買契約では、手付解除のリスクがある事を頭に入れたうえで、手付金の金額や手付解除期日を設定しましょう。

ローン利用特約等の条件に基づく解除

買主の事情で契約が解除されるリスクとして、ローン利用特約等の条件に基づく解除があることも考慮しておきましょう。

簡単に言うと、「買主が住宅ローン審査に落ちて、不動産を買えないために契約を解除する」というものです。

この場合は、違約金はおろか、手付金も買主に返金されてしまうので、売主側の計画も大きく狂ってしまいます。

この特約は買主を保護するためにあるものなので、残念ながら、このリスクを回避する有効な手段はありません。

回避策を強いてあげるとすれば、不動産会社と良好な関係を築き、信頼できる買主を紹介してもらうと良いでしょう。

瑕疵担保責任による解除

瑕疵担保責任による解除も、買主とのトラブルになることが多いリスクの1つです。

瑕疵とは、取引の目的である土地・建物に何かの欠陥があることを意味します。

瑕疵を知りながら、それを伝えずに売却して、売買契約後に瑕疵が発見された場合、契約解除となったり損害賠償を請求されたりします。

このリスクは、「事前に瑕疵を伝えておく」「修繕しておく」など、『売主側の努力』で回避できるので、誠実に対応しましょう。

売買契約時のトラブルについては、「家を売る際のトラブル事例を会社間・買主間の2パターンで解説!」でも扱っていますので、ご覧ください。

家を売る際のトラブル事例を会社間・買主間の2パターンで解説!

2019年5月8日

【家売る時のリスクその4】家を引き渡す時の注意点

家を引き渡す際の注意点

不動産売買には、,span style=”font-size: 20px;”>『所有権移転』『物件の引渡しの義務』が生じます。

これらの義務を期日までにしっかりと果たさなければ、債務不履行などが成立してしまい、場合によっては違約金が発生する可能性もあります。

専門家に依頼してリスクを回避しよう

所有権移転に関しては、登記などの準備をして、引き渡し日当日にきちんと手続きが済むようにしましょう。

登記には専門的な書類が必要です。

そのため、費用はかかりますが、司法書士に依頼してきちんとしたものを作成してもらうのが良いでしょう。

また、抵当権が設定されている場合は、残債を確認し、抵当権を抹消する必要があります。

こういった手続きに加え、引っ越しなどの準備まで踏まえて、期日までに物件を引き渡せるようにスケジュールを立てましょう。

物件の引渡しに関して、詳しいことは「家を売る際の引き渡しの流れは?必要な準備や注意点など徹底解説」で紹介しているので、こちらもあわせてご覧ください。

家を売る際の引き渡しの流れは?必要な準備や注意点など徹底解説

2019年4月12日

まとめ

家を売る一連の流れの中には、リスクが発生しやすいポイントがあります。

「どういう時に、どういったリスクが生じやすいか?」を事前に把握しておき、スムーズに売却をすすめましょう。

売主側で回避できるリスクは回避して落ち度がないように注意しよう

家を売る際は、買主側の事情もあるので、対策を立てにくいリスクもあります。

ただ、売主側の努力次第で回避できるリスクもあるので、不動産売却をスムーズに行うためにも、最低限の努力は行いましょう。

また、不動産売却が完了するまでの期間は3ヶ月~半年とよく言われます。

結構な長丁場となり、その期間、結構なエネルギーを使うことになるので、トラブルなどでさらにエネルギーを消費せずにすむように、リスク対策は事前にきちんとしておきましょう。

【事例から学ぶ】家を売る際の失敗あるある5選と失敗しないポイント

2019年5月8日

初心者が高額売却を成功させるための全知識【家売る博士】

2019.03.29

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