住み慣れたマイホームや相続した不動産など、不動産を売却する機会がある人は意外と多いです。
不動産売却では、大きなお金が動くので、失敗するとそれだけ損失も大きいです。
そのため、不動産売却の必要性が出てきたときに、「一儲けしたい」と考えるより、「失敗せずに無事に売却を終えたい」という人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、不動産売却でありがちな失敗例とその回避方法、不動産売却にまつわるケースごとの悩み・不安について詳しく解説します。
家を売る場合の失敗あるある5選
不動産を日常的に売り買いしているという人は、あまりいないと思います。
つまり、ほとんどの人が素人な訳です。
ところが、不動産業界には独特の習慣があり、素人が何も知らないまま不動産取引をすると簡単に騙されてします。
そこで、まずは不動産売却に失敗する主な原因をしっかりと把握しましょう。
- 相場より高い価格で売出してしまう
- 焦って安く買いたたかれる
- 不動産会社選びに失敗する
- 両手仲介の不動産会社には要注意
- 査定や内覧の時に印象が悪い
相場より高い価格で売出してしまう
相続などで取得した不動産の場合、すぐに売る必要がなかったりすると、強気にかなりの高値を付けてしまう場合があります。
ところが、買い手も最低限の相場は調べているので、あまりにも相場からかけ離れた高い価格をつけてしまうと、いつまでも売れないという事態になりかねません。
「売れればその分が儲けになるからOK!」といった、利益に対する不安が少ない人がこのような行動をとるケースが多いですが、不動産は所有しているだけで税金や管理費がかかる『負の遺産』です。
ですから、活用する気がないなら、できるだけ早く売った方が得策でしょう。
もし、相場以上に高い価格をつけて、売れ残ってしまうと、『売れ残り』という印象が付いてしまい、ますます買い手が見つかりにくくなります。
そうなると、【買う人が現れない⇨不動産会社が関心を持たなくなる⇨ますます買う人を紹介してくれなくなる】という最悪の悪循環に陥ってしまいます。
焦って安く買いたたかれる
高値をつけて売れないケースとは逆に、売れるかどうか不安になって、安い価格をつけてしまい、損をすることもあります。
特に、相続税対策などで不動産を売却する場合は、相続開始後10ヶ月以内に納税する義務がありますから、その期間内になんとか現金を用意したいと売り急いでしまう場合があります。
不動産には、売主が気づいていない魅力があることもあるので、安く買い叩かれないためにも、不動産売却は焦らず慎重に進めましょう。
不動産会社選びに失敗する
不動産売却で失敗する最たる原因とも言え、不安な人ほどしっかりとしてほしいのが不動産会社選びです。
特に、査定額の高さだけで不動産会社を選んでしまったりすると、失敗する可能性が高いです。
というのは、査定額というのは、売却額を保証するものではなく、一種の不動産会社の営業アピールに過ぎません。
つまり、査定額の提示は、「うちに売却させてくれたら、これくらいの金額で売りますよ」と、不動産会社があなたに仲介料を獲得するために営業していることと同じです。
そのため、仲介料欲しさにわざと高い査定額をつけて、売れないことを理由にどんどん値下げし、結局、相場よりかなり低い価格で買いたたかれてしまうこともあるので、十分に注意が必要です。
他社が提示する査定額より明らかに高い査定額を出してきた不動産会社は一度疑ってみたほうがいいでしょう。
両手仲介の不動産会社には要注意
両手仲介とは、「売主と買主の両方の仲介を、一つの不動産会社が担当する」ことをいいます。
最初に言っておきますが、両手仲介が必ずしも悪いという訳ではありません。
ただ、両手仲介の場合、不動産会社は、売主であるあなただけでなく、買手の利益も考えなければならなくなるので、売主のあなたに不利なことが起こる可能性があります。
また、両手仲介で不動産の売買契約が決まれば、不動産会社は売主と買主の両方から仲介手数料をもらうことができ、売主と買主のそれぞれに別の不動産会社がつく片手仲介に比べて、2倍の報酬を手にすることができます。
そのため、他の不動産会社に物件を紹介しないなどの『囲い込み』を行ったりする悪徳な会社もあるので、注意しましょう。
査定や内覧の時に印象が悪い
不動産売却において、売主側の努力で売却価格が上がることもあります。
逆に、その努力を怠ると、売却に失敗することもあるので注意が必要です。
特に、訪問査定や内覧の時に悪い印象を与えてしまうと、査定額が低くなったり、買い手が現れないということになります。
家は見た目が大事です。
新築同然とはいかなくても、さっぱりと小奇麗なほうが印象は良くなります。
ゴミが溜まっていたり、タバコやペットのニオイが残っていたりすると高い査定もつけづらく、内覧者が現れても、なかなか売買契約まで話が進みません。
また、売主の態度が悪いと、それも高く売れない失敗の原因になります。
家を売る際に失敗しない最大のポイント
主な失敗の原因を上げただけでも、「結構あるな…」という印象を受けたのではないでしょうか?
中には、「本当に納得のいく不動産売却ができるの?」と不安になった人もいるでしょう。
ただ、ご紹介した失敗は、しっかりと不動産会社を選ぶだけで、解決できるものばかりです。
そう、不動産売却で失敗しない秘訣は、不動産会社選びにあるといっても過言ではないのです。
不動産会社は不動産売却成功の鍵!
不動産会社をしっかりと選ぶことで、先ほど紹介した失敗を回避できるのは、不動産会社は不動産売買成立までのパートナーだからです。
実績のある不動産会社なら、売却している不動産がある地域の情報にも精通しており、もちろん、相場なども把握しています。
また、交渉がうまく、信頼できる不動産会社なら、訪問査定時に丁寧に説明をしてくれるし、あなたの話もよく聞いてくれるでしょう。
そのため、不動産の隠れた魅力を見つけるのも上手で、ターゲティングもうまく、高値でも買いたいという購入希望者を見つけられる可能性が高いです。
さらに、誠実であれば、売主の事情もよく汲み取ってくれて、売主も買主も満足できる条件で、売買が成立できるようにリードしてくれるはずです。
あなたの不安を解消してくれ、安心して売却をお願いできる不動産会社を見つけるのは、簡単なことではありませんが、どの不動産会社にお願いするかで不動産売却の成否が別れるので、慎重に見極める必要があります。
不動産会社選びで失敗しない方法
優良な不動産会社を見つける方法は、複数の不動産会社に査定依頼をし、訪問査定に来てもらって、実際の対応を見ることです。
査定依頼時には、下記のポイントをチェックすると良いでしょう。きちんとチェックしましょう。
- 話は分かりやすいか?
- 質問には丁寧に答えてくれるか?
- 査定額の根拠は実査のデータや販売実績から算出されたものか?
- 相場より高い場合はその根拠が納得のいくものか?
ただ、仕事をしていたりすると、実際に足を運んで、複数の不動産会社に査定を依頼するというのは、かなり大変です。
そこで便利なのが、不動産売却一括査定サイトです。
このサービスを利用すると、60秒ほどで複数の会社に無料で査定依頼をすることができます。
「【2019年最新版】おすすめはコレ!不動産一括査定サイトランキング」で、おすすめの不動産一括査定サイトをまとめているので、ぜひ参考にしてみて下さい。
さまざまな不動産売却一括査定サイトがありますが、それぞれに特徴があるので、あなたの条件に合ったサイトを活用してみましょう。
家を売ることを考えているけど失敗しそう…不安と悩みを解消しよう!
ここまで、不動産売却において、良く見られる失敗をご紹介してきました。
ただ、ただ一つとして、同じ物件がないように、不動産売却に伴う不安や悩みも人それぞれです。
そこで最後に、不動産売却におけるあなたの不安やお悩みを、Q&A形式で解消していきたいと思います。
家を売る際にありがちな不安・悩みと回避方法
紛失などして、提供できない場合は、「事前通知」または「本人確認情報」による手続きをして、登記申請することができます。
事前通知制度とは、申請を受けた登記官が本人限定受取郵便で、登記申請があった旨を通知する制度です。
事前通知制度以外にも、「本人確認情報の提供制度」または「公証人による本人確認制度」といった本人確認情報による手続きで代替することができます。
権利証がなくても不動産の売却はできますが、代替手段を取ることになるので、早めに司法書士にその旨を伝え、対応するようにしましょう。
先ほどもお話しした通り、不動産が売れ残る理由で一番多いのが、『価格』です。
そのため、販売希望価格が相場より高すぎないか再度検討し、価格を設定し直してみましょう。
また、隣地所有者や周辺事業者に、再度売却を打診してみてみるのもありです。
現金がなくて購入できない場合もあるので、その際は、売却ではなく「交換」などの可能性も探ってみましょう。
個人の家であれば、買取業者に売却するのもひとつの方法です。
買取制度を利用した場合、仲介の時よりも価格が安くなってしまう可能性はありますが、確実に現金化できるので検討してみましょう。
買取に関しても、一括査定サイトがあるので、利用してみて、少しでも高く売る努力はしたほうが良いでしょう。
もし、隣地との境界が未確定なら、「筆界確認書」を隣地所有者との間で作成します。
境界がある場合は、「境界の覚書」を隣地所有者との間で作成しておきましょう。
ただし、この段階で簡単に境界を是正できるなら、是正しておいたほうが売却しやすいです。
また、境界の覚書には、将来、双方所有の建物を再建築する際に、境界部分を自己の責任と負担で撤去する旨を記載します。
さらに、覚書の効力も第三者に譲渡した場合でも承継させることを明記します。
境界物に関しては、きちんと不動産会社にも告知しましょう。
不動産売却において、譲渡所得を計算する際に「取得費」を把握しておく必要があります。
これは、売却益が出た場合、確定申告をする必要があり、そのためには譲渡所得を計算する必要があるためです。
譲渡所得は次の計算式で求められます。
取得費とは、売却した不動産の購入時の価格で、建物は減価償却後の価格になります。
取得費は、基本的に購入時の売買契約書に基づき計算しますが、売買契約書が紛失している場合などは、取得費を自分で算出しなければなりません。
最も簡単な取得費の求め方は、「概算取得費」を利用する方法で、概算取得費は売却額の5%です。
ただし、概算取得費を使用すると税金が発生するリスクが高まります。
概算取得費以外で取得費を計算する方法としては、通帳の出金履歴や住宅ローンの金銭消費貸借契約書、抵当権設定額等から推測する方法があります。
価格を証明できそうな資料がないか、一度確認してみるといいでしょう。
抵当権とは、住宅ローンを組む際に銀行が住宅に付ける担保権のことです。
抵当権は、住宅ローンの残債をすべて完済すれば抹消することができます。
不動産の売却代金によって完済できるのであれば、物件の引渡しと同時に抵当権を抹消することになります。
また、預貯金等の現金を加えて完済できれば、売却代金だけで完済できなくても、抵当権は抹消できます。
買い替えの場合、売却代金だけで返済できなかった住宅ローン残債を、新たに購入する住宅に対する住宅ローンに上乗せして組むこともできます。
これを『住み替えローン』と言います。
瑕疵とは、通常有すべき品質・性能を欠いている状態を意味し、主に白アリや雨漏りが該当します。
個人が住宅を売却する場合、3ヶ月程度の期間を定めて瑕疵担保責任を負うことが一般的です。
売却後3ヶ月以内に何も発見されなければ、損害賠償責任を負う必要はありません。
さらに、買主が納得すれば、売主が個人の場合、瑕疵担保責任をすべて免責することもできます。
ただし、瑕疵担保責任を全部免責とすると値引きの対象になります。
もし、以下のような場合は、既存住宅売買瑕疵担保保険へ加入することをおすすめします。
- 瑕疵担保責任の損害賠償の費用を負いたくない
- 値引きはされたくない
既存住宅売買瑕疵担保保険を付保していれば、もし瑕疵が発見されたとしても、保険金によって瑕疵部分の修繕を行うことができます。
まとめ
不動産売却は、普通の人であれば、一生に一度あるかないかの大きなイベントです。
だからこそ、「分からないことが多く、失敗する危険性も高いので不安…」という方も多いのではないでしょうか?
経験を積むのが難しい不動産売却で失敗しないためには、不動産会社をきちんと選び、必要な知識を身に付けることが重要です。
信頼できる不動産に出会えれば失敗は回避できる
先ほどもお話ししましたが、信頼できる不動産会社を選べば、不動産に関する疑問や悩み、不安を相談することができます。
そのため、不動産一括査定サイトなどを活用して、できるだけ多くの不動産会社と会い、信頼と実績のある不動産会社を見つけましょう。