中古物件を高く売却するための全知識!売却手順や媒介契約など徹底解説

現在住んでいる家の売却を検討している方は、「自分の家がいくらで売れるのか?」気になる方も多いのではないでしょうか?

家は一度でも人が住むと『中古物件』として扱われ、築年数が経つにつれて資産価値が下がります。

そのため、中古物件には高値がつきにくい傾向があります

<strong>うり男</strong>
それなら中古物件の高額売却は期待できないね…
<strong>家売る博士</strong>
諦めのはまだ早いよ!相手との交渉や家の状態次第では、思っていたよりも高く売却することは可能だよ!

そのためには、中古物件を売却する際の基本的な流れや、不動産会社との媒介契約についてしっかり把握しておく必要があります。

また、リフォームまで視野に入れて対策を取っておくと、中古物件であっても、買主に取ってとても魅力的な物件となり、高値がつくことがあります。

そこで今回は、中古物件を高く売る際に役立つポイントに絞って、必要な情報をご紹介します。

中古物件を売却する手順

中古物件売却手順

家を売るという経験は人生にそう何度もないので、ほとんどの人が素人ということになります。

中には、「家を売りたいけど、何から始めたらいいか分からない」という人も多いのではないでしょうか?

家を売る際の全体的な流れと、それぞれの段階で何をするのかを知っておくと、スムーズに売却を進めることができ、買主の安心感にも繋がるます。

ここでは、物件引き渡しまでの流れを簡単におさらいします。

中古物件に限らず、家をはじめとした不動産を売る場合、次のような流れとなります。

  1. 物件の相場を確認する
  2. 不動産会社を探す・査定依頼をする
  3. 不動産会社と媒介契約を結ぶ
  4. 売却価格を決めて、売り出す
  5. 購入希望者と交渉する
  6. 不動産売買契約を結ぶ
  7. 残代金を受け取り、不動産を引き渡す

①物件の相場を確認する

家を売ると決めたら、その家がある近隣の売出物件の価格や取引事例を確認しましょう。

これらの情報は、不動産情報ポータルサイトなどで簡単に確認することができます。

<strong>家売る博士</strong>
大体の相場が分かったら『売却価格の下限』を決めよう!

この際、相場より極端に高い価格では「そもそも売れない」という可能性もあるので注意しましょう。

②不動産会社を探す・査定依頼をする

売却価格の下限を決めたら、不動産会社を探して査定依頼をすることになります。

この際に注意してほしいのが、必ず複数社に査定依頼をしましょう

<strong>うり男</strong>
どうして一社だけじゃ駄目なの?
<strong>家売る博士</strong>
売りたい家の状態や立地によって、売却価格が数百万円~数千万円も異なる場合があるからだよ!

査定依頼をする時には、複数社に査定依頼をし、それぞれに査定額を提示してもらうようにしましょう。

そうすることで、売却予定の家そのものの相場を知ることができます。

また、不動産会社を選ぶ際は、次のポイントを意識して会社の選定をしましょう。

  • 査定額の根拠をしっかり説明できるか?
  • 実際のデータや実績などを提示して分かりやすく説明できるか?
  • 査定額に対して自分自身が納得できるか?

さらに、訪問査定をしてもらう際には、売却理由や希望の売却額を伝え、気になった点は質問して、査定を依頼した不動産会社が「誠実か?」「実績があるか?」「相性が合うか?」を見極めましょう。

3.不動産会社と媒介契約を結ぶ

売却を依頼する不動産会社を決めたら、その会社と「媒介契約」を結びます。

媒介契約には、次の3つがあります。

  • 一般媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 専属専任媒介契約

それぞれの違いについては、後ほど詳しく解説します。

4.売却価格を決めて売り出す

不動産会社と媒介契約を結ぶと、いよいよ売却価格を決めて売出しますが、売却価格は、不動産が売れるかどうかの重要な要素の1つなので、不動産会社のアドバイスを聞いて十分に検討しましょう。

また、内覧希望者などが現れれば物件を案内します。

<strong>家売る博士</strong>
『内覧』で、その家を買うかどうかの最終判断をする買主は多いので、誠実に対応しよう!

もし買い手が見つからない場合は、価格などをはじめとして条件変更を行いますが、そのタイミングは不動産会社の担当者と相談して決めることをおすすめします。

5.購入希望者と交渉する

購入希望者から価格や条件の相談があった場合は、物件の現状を説明したり、こちらの希望を伝えるなどして交渉を行います。

両者が合意できる着地点に到達できれば、契約の手続きに進みます。

6.不動産売買契約を結ぶ

売買契約時には、不動産会社が「重要事項説明書」や「売買契約書」を準備しますので、その内容をよく確認しましょう。

契約書はトラブルが起きた場合などで重要になりますので、買主と取り決めた内容がきちんと記載されているかを確認し、あいまいな点やよく分からない点はきちんと説明を受けましょう。

<strong>家売る博士</strong>
うやむやにすることだけは絶対にやめよう!

また、売買契約を締結する際は、物件価格の2割程度の手付金を受け取ります。

7.残代金を受け取り、不動産を引き渡す

売買代金の決済や登記手続き、設備備品の説明などを行います。

引き渡しは1日で行うので、スムーズに進行するように、事前準備をしっかりとしておきましょう。

なお、家を売る時の流れについては、「【初心者必見】家を売る流れは全9ステップ!各ステップごとに徹底解説」でさらに詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

【初心者必見】家を売る流れは全9ステップ!各ステップごとに徹底解説

2019年4月17日

中古物件売却時の引き渡し手順

中古物件引き渡し手順
<strong>うり男</strong>
無事に不動産の売却が決まって安心だね!
<strong>家売る博士</strong>
いや、家が売れたとしても引き渡しに不備があると、契約解除違約金が発生したりするから、不動産売買は『引き渡し』が完了するまでは気を抜けないよ!

引き渡しをスムーズかつ無事に終わらせるために、引き渡し時の流れについても確認しておきましょう。

引き渡し日当時の流れ

引き渡し日当日は、たくさんの手続きや授受があるので、しっかりと準備をしておきましょう。

引き渡し日当日の流れとしては次の通りです。

  1. 売主は買主から残代金を受取り、所有権移転登記や抵当権の抹消・設定の手続きをする(司法書士に登記費用や報酬を支払う)
  2. 売主は不動産会社に仲介手数料を支払う
  3. 買主から固定資産税等の精算金を受け取る
  4. 買主に住宅の鍵や付属設備の取扱説明書などの関連書類を渡す

引き渡し時は、売主が残代金を受け取ると、所有権移転登記や抵当権の抹消・設定の手続きに入ります。

一連の手続きは司法書士が行うので、売主が負担すべき登記費用等がある場合は、その費用と司法書士への報酬を支払います。

また、不動産会社には「仲介手数料」を支払います。

さらに、固定資産税等の精算金がある場合は、それらを買主から受け取ります。

買主に住宅の鍵や付属設備の取扱説明書などの関連書類も引き渡し時に渡します。

引き渡し日に必要な書類

引き渡し時に必要になる書類には主に次のようなものがあります。

  • 所有権移転や抵当権抹消の登記に必要な書類

  • 実測図や付属設備の取扱説明書などの物件関係書類
  • 仲介手数料や登記費用などの資金
  • 実印

引き渡し時に必要な書類については、仲介を依頼した不動産会社の担当者に確認をして、すぐに提出できるようにしておきましょう。

住宅ローンを完済しておこう

住宅ローンを組んで購入した物件で、ローンの残債がある場合は、引き渡し時に抵当権を抹消できる状態にしておかなければなりません。

<strong>家売る博士</strong>
ローンの返済は、家の売却を検討し始めた段階から計画的に考えておき、余裕をもって返済できるようにしておこう!

抵当権抹消登記で必要な書類については、金融機関や司法書士などに確認します。

引き渡し時に受け取る残代金を住宅ローンの返済に充てる人もいると思います。

しかし、引き渡し当日は「所有権移転」や「買主の抵当権抹消登記」もしなければなりませんので、残代金を受け取った後すぐに抵当権抹消登記ができるよう手順を確認しておきましょう。

中古物件を売却する時に不動産会社と締結する「媒介契約」とは?

媒介契約とは

家を売却する際に自分で買主を見つけることは難しいので、一般的には、不動産会社に仲介してもらい、買い手を見つけます。

不動産会社に仲介を依頼する時に契約するのが『媒介契約』です。

媒介契約には次の3種類があります。

  • 一般媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 専属専任媒介契約

どの媒介契約を結ぶかによって契約内容が変わってきます。それぞれ詳しく見てきましょう。

一般媒介契約

一般媒介契約は、3つの媒介契約のうち『最も制限の少ない契約』です。

一般媒介契約の主な特徴としては次の4つがあります。

  • 複数の不動産会社に仲介を依頼できる
  • 依頼者が自分で購入希望者を見つけて売買できる
  • 指定流通機構(レインズ)への登録は任意
  • 販売状況の報告義務はない

指定流通機構(レインズ)とは、国土交通大臣が指定した不動産流通機構です。

レインズに登録された物件は、全国の不動産会社で閲覧が可能になるので、多くの不動産会社に不動産情報を届けることができます。

また、一般媒介契約には「明示型」「非明示型」があります。

明示型では、不動産会社と媒介契約を締結する時に、他の不動産会社にも重ねて媒介契約を締結していることを知らせる方法で、非明示型は、「複数の会社に依頼しているのかどうか?」や、「どの不動産会社に依頼しているのか?」などを知らせる必要がない方法です。

<strong>うり男</strong>
「明示型」「非明示型」はどちらを選んでもいいの?
<strong>家売る博士</strong>
どちらを選ぶかは売主の自由だけど、特別な理由がなければ「明示型」を選ぶといいよ!
<strong>うり男</strong>
どうして「明示型」を選ぶべきなの?
<strong>家売る博士</strong>
不動産会社からすれば、他の会社に契約を決められると報酬が0円でしょ?
<strong>家売る博士</strong>
だから、「せめてどこの不動産会社と媒介契約を結んでいるのか知りたい」というのが不動産会社の心情なんだよ!

ですから、何か特別な理由があって伝えたくない場合を除き、『明示型』を選んだほうが無難でしょう。

専任媒介契約

専任媒介契約は、『1社のみと媒介契約を結ぶ契約方法』です。

専任媒介契約の特徴としては、次のようなものがあげられます。

  • 1社のみとの契約
  • 依頼者が自分で購入希望者を見つけて売買できる
  • 指定流通機構(レインズ)に媒介契約締結した翌日から7営業日以内の登録義務
  • 14日(休業日を含む)に1回以上の依頼者への販売状況の報告義務
  • 媒介契約の有効期限は3ヶ月以内

専任媒介契約のメリットは、買取保証などのサービスを受けられたり、契約締結時の交渉次第では、仲介手数料を値引きしてもらえたりすることです。

専属専任媒介契約

専属専任媒介契約は『媒介契約の中で最も成約が多い契約方法』です。

専属専任媒介契約の特徴は次の通りです。

  • 1社のみとの契約
  • 依頼主が自分で見つけた購入希望者と売買することはできない
  • 指定流通機構(レインズ)に媒介契約締結した翌日から5営業日以内の登録義務
  • 7日(休業日を含む)に1回以上の依頼者への販売状況の報告義務
  • 媒介契約の有効期限は3ヶ月以内

なお、媒介契約についてもっと詳しく知りたい方は、「家を売る際の媒介契約はどれがおすすめ?各契約内容を徹底比較!」もご参照ください。

家を売る際の媒介契約はどれがおすすめ?各契約内容を徹底比較!

2019年4月10日

中古物件を売却するならどの媒介契約が有効?

有効な媒介契約とは
<strong>うり男</strong>
それぞれ媒介契約の特徴は分かったけど、ぶっちゃけどの契約がおすすめなの?
<strong>家売る博士</strong>
どの媒介契約がいいのかはケースバイケースだから、正解はないよ!

ここでは、実際に中古物件を売却した人の事例を参考にして、各媒介契約のメリット・デメリットを見てきましょう。

一般媒介契約で成功した事例

築30年以上の中古の家でしたが、立地が良かったので、一般媒介契約を複数の不動産会社と結び、販売活動を行いました。

一般媒介契約はレインズの登録や状況報告は任意ですが、家が人気エリアにあったということもあり、それぞれの不動産会社が熱心に販売活動をしてくれ、比較検討ができてよかったです。

結局は、売却したマンションの他の部屋の方が紹介してくれて、売れました。契約事務だけ他の業者に任せたので、仲介手数料も節約できて、いいことばかりでした。

不動産会社は家を売らないと利益にならないので、売れる可能性が高い物件に関しては、制約がなくても熱心に販売活動をしてくれます。

ライバルに先を越されたくはないので、レインズに登録してくれたり、状況報告をしてくれたりと、あらゆる手段を駆使してくれるようです。

専任媒介契約で成功した事例

最初は大手の不動産会社と専任媒介契約を結びました。

大手だけあって、内覧者の申し込みは多かったです。

ただ、買い手は決まらず、3ヶ月の契約期間が過ぎてしまいました。

そこで、相談も兼ねて、住居を購入する際にお世話になった不動産会社を訪れました。

その不動産会社が親身に話を聞いてくれたので、媒介契約を結んだところ、私たちの希望に沿った丁寧な販売活動を行ってくれ、1ヶ月ほどで無事に売買契約を結ぶことができました。

<strong>家売る博士</strong>
有名な不動産会社だからといって、必ず家を売ることができるとは限らないよ!

信頼できる不動産会社であれば、小さな不動産会社でも売却を成功させることができます。

誠実で信頼できる不動産会社が見つかれば、その会社と専任媒介契約を結ぶのも一つの方法です。

専属専任媒介契約で成功した事例

長い付き合いのある不動産会社と専属専任媒介契約をして、住宅を売却することにしました。1週間に1回以上の活動報告があり、状況が把握しやすかったです。

細やかな希望や相談にも応じてくれ、私が売却の方針を決めかねている時も不動産会社のほうから具体的な提案を示してもらえました。

そのため、悩む時間を短縮でき、素早く決断でき、予想より早い段階で満足のいく売買契約へとつながりました。

信頼できる不動産会社を知っているのなら、専属専任媒介契約がおすすめです。

レインズへの登録は5日以内で、細やかな活動報告もあるので、早い段階で売却が決まることが多いようです。

事前に目的を明確にしておき、担当者に伝えることで、より希望に沿ったかたちで販売活動を行ってもらえるでしょう。

中古物件を売却する前にリフォームは必要?

リフォームは必要?

中古物件を売却する際に、「リフォームをした方が高く売れるのでは?」という考えが頭をよぎった人もいるのではないでしょうか?

リフォームするか否かは、買い手の心理を考えることである程度方針が見えてきます。

そこで、『中古物件を売却する際にやっておくべきこと』を、買主の心理から紐解いていきます。

買主は中古物件の何に目をつけるのか?

中古物件を探している人の多くが、フルリフォームやリノベーションをすることを前提に物件を見ています。

リフォームとリノベーションの違いは次の通りです。

  • リフォーム:既存の建物の古くなった部分や壊れた部分を修理や修繕して「建築当時の状態に戻す」こと
  • リノベーション:既存の建物を改修工事して、元よりも利便性や機能性を上げて「新しい価値を吹き込む」こと

中古物件を探している人の中には、購入後にこういったリフォームやリノベーションをして、「自分好みの空間を作りたい」と考えている人も多いです。

そのため、見た目のキレイさよりも、ベースとなる間取りや構造躯体を重視している人も多いのです。

そういった買主に対して、アピールポイントとなるのはホームインスペクションを受けることです。

2018年4月から中古住宅のホームインスペクションについて、不動産会社から売主や買主に対して説明をすることが義務付けられました。

宅地建物取引業法で定められている義務は次の3つです。

  • ホームインスペクションについて説明すること
  • 既にホームインスペクション実施済ならその調査結果を説明すること
  • 売主と買主が建物の状況について書面で確認すること

ホームインスペクションとは、資格を持つ「ホームインスペクター(住宅診断士)」が客観的な立場から住宅のコンディションを調査して、修復箇所などのアドバイスをするものです。

中古住宅には、物件によって品質差があります。

そこで、第三者がホームインスペクションを行うことで、買主にも建物の状況を知らせることができ、それが安心に繋がるのです。

<strong>家売る博士</strong>
例えば、外見が古い中古物件でも、インスペクションを行った結果、構造躯体がしっかりしていることが分かり、高値で売れるということもあるよ!

まとめ

売りに出されている物件の多くが中古物件に該当しますが、中古物件と言ってもその範囲はとても広いです。

築30年以上の築古の中古物件でも、人気エリアにあり、状態が良かったりすると、1ヶ月程度で売れることもあります。

そのため、「中古物件だから売却するのに不利」ということはないのです。

中古物件を売却するポイントは2つ

中古物件を少しでも高く売るには、『信頼できる不動産会社に仲介を依頼する』ことと、『ホームインスペクションを受けて家の状態を把握する』ことがポイントです。

信頼でき、実績のある不動産会社に仲介をお願いできれば、効果的な販売活動を行い、売主にとって魅力的な買主を見つけてくれる可能性が高まります。

一方、ホームインスペクションを受けると、買主の安心感に繋がるだけでなく、リフォームしたほうが家の価値が上がって高く売れるということも考えられます。

信頼できる不動産会社を見つけると同時に、買主から信頼を獲得する努力をすることが中古物件売却の成功の鍵と言えるでしょう。

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